Home    Profile     Information     Gallery     Essay     Link


(5)宿河原、再び           <<戻る  次へ>>



ひとりには慣れっこだった。
子供の頃から、いつも孤独だった。
そう言ったら、昔の同級生たちは驚くだろう。
人一倍、声が大きくて目立っていた(ようである)のに、と。

でも、あれはやけを起こしていただけかも知れない。
世界には嫌いなもの、受けつけられないものがあまりに多すぎて、
いつも軽くかんしゃくを起こしていた。
本来は孤独を愛する、現実への興味関心のない、
ただただ空想の世界の中でぼーっとしている
とても子供っぽい子供だった。

子供の頃は、そんなぼんやりした自分が恥ずかしかったので、
強がって嘘ばかりついていた。
でもきっと、子供の武装だから、隙だらけだったと思うけど。

以前、食べ物の好き嫌いのことを話したことがありましたね。
そう、本当に食べられるものがなかったのです。
給食の時間は毎日、苦痛でした…!
ちなみに今は、食べること大好きです!
だいぶ世界で生きやすくなった。(笑)

そんなだったので、食べ物だけでなく、
色々なものが受けつけられなかった。
世界のほとんどはそういうものでできていたために、
いつも孤独だった。

でも昼休みの誰もいない、理科の実験室とかは好きだった。
誰もいなくて、しんと静かで、
古びた木造の窓枠から陽の光が差し込んでいて、
光の帯に小さな無数の埃がゆっくりと舞っている様子を(非衛生的ですが…)
ただただ、ぼーっと眺めているのが好きだった。
そこでこそ、やっとこころを許せるのでした。

きっと生まれつき、こころが小さくて狭いからなんだろう。
だから受けつけられないものが多いにちがいない。

孤独な空想癖のある子供だったので、きっと病気になったのだろうな。
そのことについては今後、お話しできたらなぁ…と。


………


そんな中、写真の学校の授業で、宿河原に行ってきました。
そう、あの場所を見つけたんです。
それが、こちらです!



今はすっかり葉桜になっていました。



小さな公園だけれど、色々なものが詰まっている感じ。
あちこちぶらぶら。
カメラ片手に、お散歩。





小さな橋は、吊り橋風になっています。








こんな可愛い落とし物も見つけました♪





町中なのに、こんなに緑深いところなんですね。
ここだけ、ちょっとした別世界。





近くにあった植物園で、たくさんの多肉植物たちが…



あっ、うさぎさん…!





水辺では、ハトさんの夫婦が、
気持ち良さそうにくつろいでいました。




ひとりには慣れっこなんだから、大丈夫。
そう何度も自分に言い聞かせる。

なぜか、どうしても涙が出てきてしまう。


宿河原の葉桜の季節も良かったですが、
やっぱりきれいな桜の頃にも、来てみたいと思います。

陽の光に透けた、あのきれいな桜の花びらを
この目で見てみたいから…。





↑上へ戻る

copyright(c)Miki Takahashi All Rights Reserved